GWが明けてバタバタしている間に5月も終盤。
うかうかしてるとあっという間に梅雨に突入しそうな気配さえする。
例年この時期は静かなことが多くて、今年もそんな日が続いているけれど、それでも
やっぱり何もないということはない。
先日FBに掲載したマスタードイエローの1980/240セダン。
もうずいぶん長い間(カルテと読んでいる管理帳を見返してみると2002年だから、
13年目ということになる)メンテナンスを承っている240で、これまでに何回かブ
ログやFBにあげているのでもうおなじみの一台じゃないかと思うけど、今回は走行中
にエンジンがストールしてしまうという、ちょっとイヤな感じの緊急入庫だった。
GW明けに、オーナーのNさんからこんなメールをもらっていた。
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バッテリー交換以降で走行中にエンジン停止が発生します。
バッテリー交換には関係の無い症状だとは思いますが、まさか関係なんて無いですよ
ねぇ。
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と言う訳で5月18日(月)午後に保険会社のレッカーにて持ち込み予定。
代車の確保の検討をお願いします。(代車確保できなくても可)
恐らく、今回は長期入院(原因特定に時間が掛かりそう)になると思われます。
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まあいかにもやっかいそうな感じだったが、結論から言ってしまうと、今回は「燃料
系」の、燃料ポンプリレーという小さなパーツ(10,100円)の不具合で、部品の調達
も奇跡的にスムーズにいって(この30年前の車のパーツが、ボルボのパーツセンター
にあったということがなんといってもスゴイけど)、念のためヒューズもすべて交換
し、もうすでに納車も終わっている。
前にも書いたことがあるけれど、240のストール、いわゆるエンストの原因は、大き
くいうと3つしかない。
ひとつは燃料がうまくエンジン(インジェクター)まで届かないことによるもの(=燃
料系)、もうひとつは燃料は届いているけれど火花がうまく飛ばないので爆発がおこ
らないことによるもの(=点火系)、そして燃料もOK、点火もOKなんだけど、燃料と
空気の混合濃度調整がうまくいっていないのできれいに爆発しないことによるもの
(=燃料調整系)。
もちろんそれぞれに構成パーツがいくつかあるので枝分かれはするし、たとえばバッ
テリーなどの外的要因があるケースもあるが、昨今のようにコンピュータが張り巡ら
されていない時代の車は、これがわかっていれば、探るのはそれほど難しくはない。
ただ、今回の修理がこんなにスムーズに完了したのは、不具合の症状が預かった直後
に発生したということに尽きる。よくあることだが、預かってなかなかうまく症状が
出てくれないというパターンがあって、Nさんが「時間がかかりそう」とおっしゃっ
たのは、そのことを想定してのことだったはず。
症状が確認できさえすれば、上の3つの要因をひとつずつ潰していけばいいだけで、今
回は、ラッキーにもそのいちばん最初のステップでヒットしたということだ。
Nさんから話をうかがってみると、これまでに交換した記憶も記録もないということ
だったから、おそらく新車からのままのパーツで、もしそうだとしたら、35年ももっ
たわけだから、どちらかというと、よく頑張ったと褒めてやってもいいくらいの事象
だった。
こんな風に書いてしまうと、ああやっぱり旧い車って壊れるんだねって思われてしま
いそうだが、われわれの認識とすると、これは故障ではなく部品のモノとしての寿命
であって、まあもちろんリスクであることには違いないけれど、これを「壊れる」と
一言で片付けられてしまうのはちょっと心外。先週末に預かった06/V70のBCM(ブ
レーキ・コントロール・モジュール)の215,000円なんていうのと比べたら、なんと
もカワイイもんじゃないかと思うわけです。
気に入ったものを手を入れながら使い続けるか、あるいは最新技術の快適さを求め続
けるのか、車に限らず、道具とのつきあい方でいつも迷うところですよね。
まあ、スタイルの問題かな。